「テスラって、どこの国の車なの? 中国製って聞いたけど、本当に大丈夫?」
もしあなたが、奥様やご家族からこのような質問を投げかけられ、答えに窮してしまったとしても、それは無理もありません。テスラはアメリカの企業ですが、日本で納車される車両の生産国については、ネット上で様々な憶測が飛び交っているからです。
結論から申し上げます。現在、日本で販売されているテスラ(モデル3およびモデルY)は、アメリカ企業が設計し、中国・上海にある最新鋭の工場「ギガファクトリー上海」で製造されています。
「えっ、やっぱり中国製なの…?」と不安を感じた方、どうかご安心ください。
実は今、自動車製造の専門家の間では、「日本向けテスラ(上海製)こそが、品質面での『当たり』である」という評価が定着しつつあるのです。
この記事では、なぜ「中国製テスラ」が米国製よりも高品質と言えるのか、その技術的な理由と、ご家族を安心させるための決定的な「安全性の証拠」を、EVテック・ジャーナリストの視点で解説します。
この記事の著者
高橋 徹(たかはし とおる)
EVテック・ジャーナリスト
電気自動車の製造技術とグローバルサプライチェーンを専門とするジャーナリスト。これまでにテスラの主要生産拠点であるフリーモント(米国)、上海(中国)、ベルリン(ドイツ)の3つのギガファクトリーすべてを現地取材。特定のメーカーに偏らず、あくまで「製造品質」の観点から事実を伝えることを信条とする。
日本のテスラは「上海ギガファクトリー」製。なぜアメリカ製ではないのか?
まず、事実関係を整理しましょう。テスラの本社はアメリカのテキサス州(以前はカリフォルニア州)にありますが、製造拠点は世界中に点在しています。そして、日本市場向けの「モデル3」と「モデルY」は、全量が中国の「上海ギガファクトリー(Giga Shanghai)」から輸入されています。
自分の車の生産国を1秒で見分ける方法
「本当に自分の検討している車が中国製なのか?」と疑問に思う方は、車台番号(VINコード)を確認することで、生産国を客観的に特定できます。
なぜ日本には「上海製」が届くのか?
これには明確な物流上の理由があります。上海ギガファクトリーは、テスラの「輸出ハブ(拠点)」として位置づけられており、アジア・オセアニア・欧州の一部への供給を担っています。
地理的に日本に近い上海から輸送することで、アメリカから輸送するよりもリードタイム(輸送期間)を大幅に短縮でき、輸送コストも削減できます。しかし、日本向けテスラが上海製である最大のメリットは、コストではなく「品質」にあります。
「中国製=低品質」は古い?上海製が「世界最高品質」と言われる3つの理由
正直に言います。私も最初は「テスラを買うなら本国アメリカ製がいい」と思っていました。しかし、上海ギガファクトリーで製造されたモデルYの実車に触れ、その製造工程を取材した瞬間、その考えは完全に覆されました。
かつての「アメ車は大雑把」「中国製は安かろう悪かろう」という常識は、今の日本向けテスラには当てはまりません。むしろ、最新鋭の上海製こそが、今買える最も精度の高いテスラなのです。
理由1:工場の「世代」が違う(新築ホテル vs 老舗旅館の改築)
米国のフリーモント工場は、もともとトヨタとGMの合弁工場(NUMMI)だった施設を居抜きで再利用。対して上海ギガファクトリーは、テスラが更地から設計した完全な新築工場です。
理由2:「ギガプレス」が品質のバラつきを物理的に消滅させた
上海工場で導入されている巨大鋳造マシン「ギガプレス」により、従来70以上のパーツを溶接していた後部ボディが、1つの巨大アルミ部品として一体成型されます。
部品点数が少ない=ズレようがない。これが、上海製の品質が高い技術的根拠です。
理由3:日本人の厳しい目に鍛えられた品質管理
上海工場は、日本や欧州など品質要求の厳しい市場向けの車両を多く生産。出荷前の検査体制が桁違いに厳しいため、納車時の不具合報告はフリーモント製より大幅に少ないと国内外で評価されています。
奥様も納得!家族を守る「世界トップレベルの安全性」の証拠
「品質はわかったけど、安全性は?」という家族の疑問に対しては、事実ベースで説明できます。
上海製モデルYは、世界で最も厳しいと言われる欧州の「Euro NCAP」で最高評価(5つ星)を獲得しています。
Euro NCAPスコア(モデルY)
- 総合評価:⭐⭐⭐⭐⭐(5つ星)
- 成人乗員保護:97%
- 子供乗員保護:87%
- 安全支援システム:98%
特に安全支援システムの98%というスコアは、試験史上トップクラスです。
奥様にはぜひこう伝えてください:
「世界で最も厳しいテストで“世界最高ランクの安全”と証明された車なんだよ」
バッテリーと耐久性の真実
日本向けスタンダードモデル(RWD)に搭載されるLFPバッテリー(リン酸鉄リチウム)には、以下のメリットがあります。
- 発火リスクが極めて低い
- 毎日100%充電できる(劣化しにくい)
- 充放電サイクル寿命が長い
「毎日満タンにしてOK」なのは、実生活上の使いやすさで大きなメリットです。
まとめ:上海製テスラは「妥協」ではなく「賢い選択」
- 日本向けテスラは上海ギガファクトリー製
- ギガプレスなどの技術により品質は過去最高
- Euro NCAP 5つ星で世界最高クラスの安全性
- LFPバッテリーで寿命も安全性も高い
「中国製」という響きで敬遠されがちですが、今のテスラにおいて上海製は“当たり”です。まずは試乗して、ドアの「バスッ」という音と静粛性を体感してみてください。


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