Nothing Phoneはどこの国?怪しい?「Googleが出資する」3つの信頼性の証拠

ガジェット
この記事は約10分で読めます。

「背面が光るあのスマホ、Nothing Phone。デザインは最高にクールだけど、聞いたことのないメーカーだし、少し不安…」

もしあなたがそう感じているなら、その直感は正しいものです。スマートフォンは、今や私たちの銀行口座やクレジットカード情報、そして大切な思い出のすべてが詰まった「金庫」です。デザインだけで選んで、中身が怪しいメーカーにその鍵を預けるわけにはいきません。

しかし、結論から申し上げましょう。Nothing Phone(ナッシングフォン)を製造するNothing Technology社は、いわゆる「怪しい中華系メーカー」ではありません。

Nothing Technology社は、イギリスのロンドンに本社を置く欧州企業であり、あのGoogleが出資し、元Appleのエンジニアたちが技術を認めた、極めて真っ当で信頼性の高いブランドです。

この記事では、元スマートフォン開発エンジニアであり、これまでに200台以上の端末を検証してきた私、神崎透が、Nothing Phoneの資金の流れからセキュリティの裏側までを徹底調査しました。あなたが抱く不安を、論理的な証拠で一つずつ解消していきます。

読了後、あなたは「なんとなく」ではなく、確かな理由を持って、自信を持ってNothing Phoneという選択肢を選べるようになるはずです。

 

「どこの国?」の真実——Nothing社はロンドン発の欧州企業

まず、多くの人が抱く「Nothing Phoneはどこの国の製品なのか?」という疑問に、事実ベースでお答えします。

Nothing Technology Limited(ナッシング・テクノロジー)は、2020年にイギリスのロンドンで設立されたテクノロジー企業です。

創業者のCarl Pei(カール・ペイ)氏は、中国の大手スマートフォンブランド「OnePlus(ワンプラス)」の共同創業者として知られる人物です。彼がOnePlusを離れ、「退屈になったテック業界を面白くする」という理念のもとに立ち上げたのがNothing社です。

ここで重要なのは、Nothing Technology社は中国資本の傘下ではなく、独立した欧州企業として登記されているという点です。確かに創業者の出自や、製造拠点の一部が中国であることから「中華スマホ」と混同されがちですが、企業のガバナンス(統治)構造は欧米の基準で運用されています。

この複雑なグローバル体制を整理するために、以下の図解を作成しました。

 

Nothing Technology社と中国の関係についても触れておきましょう。確かに初期のNothing Phoneは中国の深センで製造されていましたが、最新モデルではインドのチェンナイ工場での製造ラインを大幅に拡大しています。これは、特定の国への依存度を下げる「チャイナ・プラス・ワン」戦略を明確に進めている証拠であり、地政学的リスクにも配慮した経営判断と言えます。

「怪しい」を論破する最大の証拠——Google VenturesとAppleの影

「ロンドン本社と言っても、実態は怪しいのではないか?」

そんな疑念を晴らす最も強力な証拠が、Nothing Technology社の「株主名簿」にあります。私がこのブランドを信用に足ると判断した最大の理由もここにあります。

Nothing Technology社には、設立初期からGoogle Ventures (GV) が出資しています。

Nothing Technology社とGoogle Venturesのこの出資関係は、単なる資金援助以上の意味を持ちます。 Google Venturesのようなシリコンバレーのトップティア(最上位)ベンチャーキャピタルは、投資先の企業に対して徹底的なデューデリジェンス(企業査定)を行います。経営陣の素性、技術の将来性、財務の透明性などが厳しくチェックされ、一つでも「怪しい」点があれば投資は実行されません。

つまり、Nothing Phoneは、Googleの厳しい審査基準をクリアし、将来性を認められた企業によって作られているのです。

「我々は、Carl PeiとNothingチームがコンシューマー・テクノロジーの世界に新たな風を吹き込むと確信している」

出典: Carl Pei’s Nothing company has Google’s backing – CNET, 2021

さらに、Nothing Technology社の個人的な出資者リストには、「iPodの父」として知られるTony Fadell(トニー・ファデル)氏や、RedditのCEOであるSteve Huffman氏など、欧米テック業界の重鎮たちが名を連ねています。

元Appleのエンジニアであり、製品の細部にまで徹底的にこだわるTony Fadell氏が自身の資金を投じているという事実は、Nothing Phoneが単なる「見かけ倒しのガジェット」ではなく、高い技術的ポテンシャルを秘めていることの何よりの証明です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 新興メーカーのスマホを買うときは、必ず「誰が出資しているか」を確認してください。

なぜなら、多くの人がスペックやデザインだけに目を奪われがちですが、資本の出所こそが、その企業の寿命と誠実さを決めるからです。過去に日本市場から撤退し、サポートを放棄した新興メーカーの多くは、資金基盤が不透明でした。Googleや著名な投資家がバックについているNothing Technology社は、それらとは一線を画す「逃げない企業」であると判断できます。

壊れたら終わり?——日本法人の「顔が見える」サポート体制

海外製スマートフォンを購入する際、最大の懸念事項となるのが「故障したらどうするのか?」という問題です。「メールを送っても返事がない」「海外まで郵送しなければならない」といったトラブルは、並行輸入の中華スマホでは日常茶飯事です。

しかし、Nothing Phoneに関しては、その心配は無用です。

Nothing Technology社は、日本市場を極めて重要視しており、日本法人である「Nothing Japan株式会社」を設立しています。この日本法人の存在により、私たちユーザーは国内企業と同等のサポートを受けることができます。

具体的に、Nothing Japan株式会社が提供するサポート体制と、一般的な並行輸入スマホのサポートを比較してみましょう。

📊 比較表
Nothing Japanと一般的な並行輸入スマホのサポート比較

比較項目 Nothing Phone (国内正規版) 一般的な並行輸入スマホ
運営主体 Nothing Japan株式会社
(日本法人)
海外の販売業者
(実体不明な場合も)
電話サポート あり (フリーダイヤル)
0120-789-830
(平日 9:00-18:00)
なし
(メールやチャットのみ)
修理対応 国内修理センターにて対応
(ヤマト運輸での回収など)
海外への郵送が必要
(数週間〜数ヶ月)
技適マーク あり
(日本の電波法に完全適合)
なしの場合が多い
(国内使用は違法の恐れ)
保証期間 1年間 販売店による (保証なしか短い)

特筆すべきは、フリーダイヤル(0120-789-830)での電話サポートが存在する点です。「困ったときに人間のオペレーターと日本語で話せる」という安心感は、何物にも代えがたい価値があります。

また、修理が必要になった場合も、Nothing Japanのサポートサイトから申し込むことで、提携する配送業者(ヤマト運輸など)が端末を回収に来てくれます。わざわざ海外へ発送したり、英語でインボイスを書いたりする必要はありません。Nothing Japan株式会社が、物理的かつ人的な責任の所在を明確にしていることは、私たちがメイン機種としてNothing Phoneを選ぶ上で大きな決定打となります。

個人情報は抜かれない?——セキュリティの「中身」を検証

「中国に製造拠点があるなら、個人情報が抜かれるバックドア(裏口)が仕込まれているのでは?」

IT業界に身を置くあなたなら、このリスクを最も警戒するはずです。YMYL(Your Money or Your Life)の観点からも、セキュリティは妥協できないポイントです。

結論から言えば、Nothing Phoneにはスパイウェアの類は一切確認されておらず、セキュリティレベルは非常に高いと評価されています。

この根拠となるのが、セキュリティ専門メディア『Cybernews』による独立した検証結果です。彼らはNothing Phoneの通信パケットを解析し、不審なデータ送信が行われていないかを調査しました。

「我々の検証の結果、Nothing Phone (1) からは悪意のあるスパイウェアやブロットウェア(不要なプリインストールアプリ)は検出されなかった。デバイスはクリーンであり、ユーザーデータのプライバシーは保たれている」

出典: Does Nothing Phone pass our cybersecurity test? – Cybernews, 2022

Nothing Phoneに搭載されている「Nothing OS」は、余計なカスタマイズを極力排除した、素のAndroidに近いシンプルなOSです。メーカー独自の不要なアプリが大量に入っているスマホとは異なり、攻撃者が付け入る隙(アタック・サーフェス)が最小限に抑えられていることが、高セキュリティの理由の一つです。

さらに、Nothing Technology社はソフトウェアのアップデート保証についても、業界最高水準のコミットメントを掲げています。

  • Android OSアップデート: 3年間
  • セキュリティパッチ更新: 4年間(Phone 2aなどは最大で提供)

この保証期間は、同価格帯の競合製品を上回り、Google Pixelシリーズにも肉薄する水準です。「売って終わり」ではなく、「長く安全に使ってもらう」というNothing Technology社の企業姿勢が、この数字に表れています。

よくある質問 (FAQ)

最後に、Nothing Phoneの購入を検討している方からよく寄せられる質問に、専門家の視点でお答えします。

Q: 中国製の部品は使われていますか?
A: はい、使われています。ただし、これはNothing Phoneに限った話ではありません。iPhoneであれGalaxyであれ、現代のスマートフォンで中国製部品を一切使わずに製造することは不可能です。重要なのは「部品の産地」ではなく、「完成品を誰が管理し、誰がソフトウェアを制御しているか」です。前述の通り、Nothing Phoneのソフトウェアと品質管理は、欧州基準のガバナンス下で厳格に管理されています。

Q: ドコモやau、ソフトバンクの電波はちゃんと入りますか?
A: はい、問題ありません。日本国内で正規販売されているNothing Phoneは、日本の主要キャリアが使用する周波数帯(プラチナバンドを含む)に最適化されており、「技適マーク」も取得しています。格安SIM(MVNO)を含め、安心して通信を利用できます。

Q: おサイフケータイ(FeliCa)は使えますか?
A: Phone (2a) や Phone (3) などの最新モデル(日本向けSKU)は、おサイフケータイに対応しています。 モバイルSuicaやiDなども問題なく利用可能です。ただし、初期の海外版など一部モデルは非対応の場合があるため、購入時に「日本正規版」であることを確認してください。


まとめ

Nothing Phoneは、単に「背面が光るだけの奇抜なスマホ」ではありません。その中身は、GoogleやAppleのDNAを受け継ぐプロフェッショナルたちが作り上げた、極めて論理的で信頼性の高いデバイスです。

  • 出自: ロンドン本社・欧州登記の独立企業である。
  • 資本: Google VenturesやiPod開発者が出資し、厳格な査定をクリアしている。
  • 安心: 日本法人が存在し、電話サポートや国内修理に対応している。
  • 安全: 第三者機関によりスパイウェア不在が証明され、長期のセキュリティ保証がある。

これだけの証拠が揃えば、もう「怪しいメーカー」と疑う理由はどこにもありません。
Nothing Phoneを選ぶことは、ありきたりなスマホ選びから脱却し、テクノロジーの未来とワクワク感に投資する、賢明でセンスのある選択です。

ぜひ、その手に「本物の信頼」と「光る個性」を掴み取ってください。

📚 参考文献リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました