転職、告白、起業、あるいは高額な買い物。「挑戦してみたいけれど、失敗したらどうしよう」と足踏みしてしまうことは誰にでもありますよね。
そんな時に背中を押してくれるのが「やらない後悔より、やる後悔のほうがいい」という有名な言葉です。
しかし、「やって大失敗して取り返しがつかなくなったらどうするの?」と冷静に疑ってしまう自分もいるはず。この記事では、心理学的に「やらない後悔」がなぜ長引くのかという理由から、行動してはいけない「罠」のケース、そして実際に踏み出した体験談まで徹底解説します。
1. 心理学で証明されている「やらない後悔」の重さ
実は「やらない後悔の方が苦しい」というのは、単なる精神論ではなく、心理学の研究でも証明されています。
コーネル大学の心理学者トーマス・ギルボビッチらの研究によると、人間の後悔には時間的な変化があることが分かっています。
・長期的な後悔: 時間が経つにつれて「あの時挑戦しておけばよかった」という、やらなかったことへの後悔(やらない後悔)の方が圧倒的に大きく、長く心に残る。
行動して失敗した場合は「いい勉強になった」「あれがダメなら次はこうしよう」と反省や教訓に変えて消化(納得)しやすいのに対し、やらなかった場合は「もしあの時やっていれば、人生が大きく変わっていたかもしれない」という永遠に答えが出ない幻影(IF)に苦しめられ続けるからです。
2. 注意!「やる後悔」が致命傷になる罠
一方で、頭木弘樹氏の著書などでも指摘されている通り、すべての物事において「とにかくやればいい」というわけではありません。「やって取り返しのつかない後悔(致命傷)」になるケースもあります。
- 全財産を失うようなハイリスクな投資やギャンブル
- 健康や命に関わる無謀な挑戦
- 犯罪や、他人の人生を不当に傷つける行為
- 今の安定を「すべて」投げ打って退路を断つこと
これらは「いい勉強になった」で済まされるレベルを超えており、人生そのものを破壊しかねません。格言を鵜呑みにして、リスク管理を怠るのは危険です。
3. 【体験談】迷った末の転職。私が「やる後悔」を選んで得たもの
ここで、実際に「やらない後悔」を恐れて行動を起こし、結果的に失敗したものの前を向くことができた30代女性(筆者の知人)の体験談をご紹介します。
「私は20代後半で、安定した事務職から、ずっと憧れていたハードなクリエイティブ業界へ未経験で転職しました。結果から言うと、体力的にもスキル的にも全くついていけず、たった1年で心を壊しかけて退職(挫折)してしまいました。
短期的に見れば『あんな無謀な転職、やらなきゃよかった』という完全な失敗です。でも、不思議と今は清々しい気持ちです。もしあのまま事務職を続けていたら、今でも『あの業界に行っていたら輝けたかも』とウジウジ悩み続けていたはずだからです。
思い切り挑戦して自分の限界を知れたことで、『私には安定した環境でコツコツ働くのが向いているんだ』と、心から納得して今の仕事(再就職先)を愛せるようになりました。まさに『やって後悔(納得)』して大正解だったと思っています。」
4. 迷った時の客観的な判断基準
「やろうか、やめようか」と迷った時は、以下の3つの基準で判断してみてください。
- 最悪の事態は「致命傷」か?「かすり傷」か?: 失敗しても命や生活の基盤(借金など)が脅かされない、あるいは元に戻れる「かすり傷」の範囲なら迷わずGO。
- 「失敗した自分」を許せるか?: 結果が出なくても、その過程で得られるスキルや経験に価値を見出せるなら、それは良い挑戦です。
- 10年後の自分はどう思うか?: おじいちゃん、おばあちゃんになった自分が今の自分を見たとき、「あの時やっておけばよかったのに」と怒る姿が想像できるなら、行動すべきサインです。
5. まとめ
「やらない後悔よりやる後悔」についてまとめます。
- 心理学的に、人間は「やらなかったこと(可能性の喪失)」を長期にわたって後悔し続ける生き物である。
- 行動して失敗した「やる後悔」は、教訓や納得に変わりやすい。
- ただし、生活基盤や健康を失うような「取り返しのつかない致命傷」になる挑戦には注意が必要。
- 失敗してもかすり傷で済むなら、とりあえずやって「納得感」を得るのが人生を豊かにするコツ。
もし今、あなたが何かに挑戦しようとしていて、そのリスクが「恥をかくこと」や「少しお金や時間を無駄にすること」程度であるなら、恐れずに一歩を踏み出してみてください。その経験は、結果がどうあれ必ずあなたの人生の糧になるはずですよ。


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