大事な取引先へのメールを作成し、いざ送信ボタンを押そうとしたその時。
最後の結びの言葉で指が止まること、ありませんか?
「今後ともよろしくお願い致します」
「今後ともよろしくいたします」
「どっちが正解なんだっけ…?」
変換キーを押して漢字にしてみたり、やっぱり柔らかい印象にしようとひらがなに戻してみたり。
この「数秒の迷い」、積み重なると結構な時間のロスですよね。
私も新人の頃、上司に「ここはひらがなだろ!」と赤ペンを入れられて、「どっちでも良くないですか?」と心の中で反抗した覚えがあります。
実はこれ、ビジネスマナー的には「明確な正解」が存在します。
この記事では、迷いがちな「致します/いたします」の使い分けルールと、相手に「おっ、デキるな」と思わせるランクアップした言い換え表現を解説します。
これを読めば、もうメールの最後で迷うことはなくなります。
結論:「いたします(ひらがな)」が文法的には正解!
結論から言うと、ビジネスメールにおける標準的な正解は「ひらがな」です。
「今後ともよろしくいたします」
なぜでしょうか?
これには公用文(法律や公文書)でも使われている明確なルールがあります。
📚 文法のルール
- 漢字の「致す」
動詞として使う場合。
意味:「届ける」「至らせる」など。
例:「不徳の致すところです」 - ひらがなの「いたす」
補助動詞として使う場合。
意味:「~する」の謙譲語(へりくだる表現)。
例:「お願いいたします」「ご連絡いたします」
「よろしくする」という言葉の謙譲語なので、ここは補助動詞。
したがって、ひらがなで書くのが文法的に正しいマナーとなります。
「してあげる(○)」「して上げる(×)」と同じ感覚ですね。
でも、漢字を使ったら間違いなの?
ここがややこしいところですが、「漢字でも間違いではない(失礼ではない)」というのがビジネス界の現状です。
「漢字の方がカチッとしていてカッコいい」
「文字数が引き締まって見える」
という理由で、あえて漢字を使うビジネスマンも多くいます。
特に年配の方や、固い業界(士業など)では漢字が好まれる傾向もあります。
ただ、最近の主流は「読みやすさ」と「柔らかさ」を重視する傾向にあるので、迷ったら「ひらがな」にしておくのが一番無難で安全です。
目上の人にそのまま使ってOK?ランクアップ表現集
「今後ともよろしくお願いいたします」は万能な言葉ですが、相手によっては少し「定型文すぎて冷たい」と感じられることもあります。
特に目上の人や、重要なクライアントには、少し言葉を足して丁寧さを演出しましょう。
✨ 使える言い換えリスト
- ■ より丁寧に頼みたい時
- 「引き続き、よろしくお願いいたします」
(今の関係を継続したいニュアンスが強まります) - ■ 強い要望を伝えたい時
- 「何卒(なにとぞ)、よろしくお願いいたします」
(どうしてもお願いしたい!という熱意が伝わります) - ■ お世話になっているお客様へ
- 「今後ともお引き立てのほど、よろしくお願いいたします」
「今後ともご愛顧くださいますよう、お願い申し上げます」
毎回コピペの「今後とも~」ではなく、相手との関係性に合わせて「引き続き」や「何卒」を使い分けられると、メールの達人に一歩近づきます。
要注意!「今後とも」を使ってはいけないNGシーン
便利な言葉ですが、使うと相手を怒らせたり、常識がないと思われたりする場面が2つだけあります。
ここだけは絶対に避けてください。
1. お詫びや謝罪のメール
何かミスをして謝るメールの最後に、手癖で「今後ともよろしく~」と書いていませんか?
相手からすれば「ふざけるな、まずは反省しろ」となります。
謝罪メールの結びは、
「重ねてお詫び申し上げます」
「今後はこのようなことがないよう努めます」
などが正解です。
2. これっきりの関係(契約終了など)
今回限りで取引が終わる相手や、もう会うことがない相手に「今後とも」と言うのは不自然です。
「社交辞令だな」とバレバレで、逆に心がこもっていない印象を与えます。
この場合は、
「この度は誠にありがとうございました」
「またご縁がございましたら、その際はよろしくお願いいたします」
と、過去形や仮定の話にするのがスマートです。
まとめ:正解は「ひらがな」。でも一番大事なのは…
「今後ともよろしくお願い致します」の迷い、晴れましたか?
最後に要点を整理しましょう。
📌 メール結びの鉄則
- 基本は「いたします(ひらがな)」推奨
- 漢字でもマナー違反ではない(固い印象になる)
- 目上の人には「引き続き」「何卒」を添える
- 謝罪メールでは絶対に使わない
言葉の正誤も大切ですが、ビジネスメールで最も大切なのは「相手への配慮」です。
「ひらがなの方が読みやすいかな?」と考えて変換する、その一瞬の気遣いこそが、あなたの評価を高めてくれます。
さあ、自信を持って送信ボタンを押しましょう。
「引き続き、よろしくお願いいたします!」


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