「ねえ、ZARAってどこの国のブランドだっけ? フランス? それともイタリア?」
大学の友達にふとそう聞かれて、答えに詰まってしまったことはありませんか?
結論から言います。ZARA(ザラ)の正解は、情熱の国「スペイン」です。
「えっ、スペインなの?」と驚くかもしれません。でも、ただ国名を知るだけではもったいないですよ。実はZARAには、「最初は全く違う名前になる予定だった」という、嘘のような本当の話があるんです。
この記事では、スペイン・マドリード在住のファッションライターである私が、明日友達に話したくなるZARAの「秘密」と、田舎町から始まった「シンデレラストーリー」をこっそり教えます。
この記事を書いた人

マリア・佐藤(まりあ さとう)
スペイン在住ファッションライター
マドリード在住歴5年。現地のZARA店舗取材や、スペイン人へのインタビュー記事を多数執筆。「教科書的な解説ではなく、現地の空気感や『へぇ〜』と驚く裏話を、カフェでおしゃべりするような感覚で伝える」をモットーに活動中。
ZARAの故郷はスペインの「雨の多い田舎町」。パリでもミラノでもない理由
まず、ZARAが生まれた場所についてお話ししましょう。
おしゃれなイメージから、パリやミラノのような大都市を想像する人が多いのですが、ZARAの発祥地はスペイン北西部のガリシア州にある「ア・コルーニャ」という港町です。
ここは、スペインの中でも特に雨が多く、緑豊かな場所です。華やかなファッションの中心地とは程遠い、素朴な田舎町と言ってもいいでしょう。
ZARAとスペイン(ガリシア州)は、切っても切れない起源の関係にあります。
創業者のアマンシオ・オルテガは、この町で貧しい鉄道員の息子として育ちました。14歳でシャツ店の下働きから始めた彼が、1975年にア・コルーニャの中心街にZARAの1号店をオープンさせたのが全ての始まりです。
今でもZARAの本社はこのア・コルーニャにあり、ここから週に2回、飛行機に乗って世界中の店舗へ最新の服が届けられています。「世界のトレンドは、パリではなくガリシアの田舎町から発信されている」。そう考えると、なんだかワクワクしませんか?
【衝撃】ZARAは最初「ZORBA(ゾルバ)」になるはずだった!?
さて、ここからが一番のトリビアです。
実は、創業者のオルテガ氏は、最初自分のブランドに「ZARA」という名前をつけるつもりはありませんでした。
彼が最初に決めた名前、それは「ZORBA(ゾルバ)」でした。
当時大ヒットしていた映画『その男ゾルバ(Zorba the Greek)』が大好きだった彼は、1号店の看板も「ZORBA」で作ってしまったのです。
ところが、オープン直前になって大問題が発生します。なんと、お店のすぐ近くに「ZORBA」という名前のバーがあったのです。
バーのオーナーから「同じ通りにZORBAが2つあると客が混乱する」とクレームを受けたオルテガ氏は、急遽名前を変えることになりました。しかし、看板の文字型はもう作ってしまっています。
そこで彼は、手元にある「Z・O・R・B・A」の文字型を組み替えて、新しい名前を作れないかと考えました。
あれこれ試行錯誤した結果、余った文字を捨てて完成したのが、「ZARA」だったのです。
ZARAとZORBAは、名前被りによる変更という偶然の歴史で結ばれています。
もし近くにそのバーがなかったら、私たちは今頃「ZORBAの服」を着ていたかもしれません。
🎨 デザイナー向け指示書:インフォグラフィック
件名: 幻のブランド名「ZORBA」から「ZARA」へ
目的: ZARAという名前が、偶然の産物(文字の組み替え)で生まれたことを視覚的に理解させ、読者に強い印象を残す。
構成要素:
- タイトル: ZARAの名前の秘密
- ステップ1: 看板の文字は「ZORBA」(映画『その男ゾルバ』から)。
- ステップ2: 近所のバーと名前が被り、クレーム発生!
- ステップ3: 「Z・O・R・B・A」の文字をパズルのように組み替える。
- ステップ4: 「O」と「B」を捨てて、「A」を足して(あるいは2つのAを使って)「ZARA」が完成!
デザインの方向性: アニメーションのコマ送りのような、ポップで分かりやすい図解。
参考altテキスト: ZARAの旧名ZORBAの文字を組み替えて現在のブランド名になった経緯を示す図解。✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 友達にこの話をするときは、「もしバーがなかったら、ZARAじゃなくてゾルバだったんだよ」と伝えてみてください。
なぜなら、この点は多くの人が知らない最大のサプライズであり、「失敗(名前被り)をチャンスに変えた」というポジティブなストーリーとして、ブランドへの愛着が一層深まるからです。
なぜあんなに安くておしゃれ?秘密は「広告費ゼロ」と「飛行機」
ZARAのもう一つの謎、それは「なぜ最新のデザインがあんなに安く手に入るのか」ということです。
その秘密は、「広告費ゼロ」という大胆な戦略にあります。
普通のファッションブランドは、テレビCMや雑誌の広告に莫大なお金をかけます。しかし、ZARAは広告宣伝費をほとんど使いません。
その代わりに、浮いたお金をどこに使っているのでしょうか?
正解は、「一等地の店舗」と「飛行機輸送」です。
ZARAと広告費ゼロ戦略は、物流スピードへの投資という形で密接に関連しています。
ZARAは、銀座やシャンゼリゼ通りといった最高立地に店を構えること自体を広告と考えます。そして、商品を船ではなく「飛行機」で運ぶことで、デザインから店頭に並ぶまで最短2週間という驚異的なスピードを実現しているのです。
「広告にお金をかけるより、最新の服を一日でも早くお店に届ける」。これがZARAの哲学なのです。
現地では「ザラ」じゃない?スペイン流の通な読み方
最後に、ちょっと通な「読み方」のお話です。
日本では「ザラ」と呼びますが、本場スペインでは少し発音が違います。
スペイン語(特に本土)では、「Z」の音を英語の「TH」のように、舌を軽く噛んで発音します。
つまり、現地では「サラ(THARA)」に近い音で呼ばれているのです。
サラ(THARA)とザラは、現地発音と日本での定着という文化的な違いを表しています。
もちろん日本で「サラ」と言っても通じにくいですが、スペイン旅行に行った際は、ぜひ現地の店員さんに「サラ」と言ってみてください。きっと素敵な笑顔で対応してくれるはずです。
よくある質問(FAQ)
Q: Bershka(ベルシュカ)やStradivarius(ストラディバリウス)も同じ会社ですか?
A: はい、その通りです。これらはすべて、ZARAの親会社であるInditex(インディテックス)グループの姉妹ブランドです。ZARAがお姉さんだとすると、Bershkaはもっと若向けの妹分といった位置づけですね。
Q: 創業者のアマンシオ・オルテガってどんな人?
A: 彼は世界有数の大富豪ですが、非常に謙虚で「顔出し嫌い」として知られています。上場企業のトップでありながら、ネクタイを締めず、社員食堂で従業員と一緒にランチを食べるような人物だと言われています。
まとめ:ZARAはスペインの田舎町で生まれた「奇跡」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ZARAは、フランスでもイタリアでもなく、スペインの雨の多い田舎町で生まれたブランドでした。
そしてその名前は、近所のバーと名前が被るという「失敗」から、偶然生まれたものでした。
次にZARAの店舗で服を手に取った時は、このシンデレラストーリーを思い出してみてください。そして、ぜひ友達に「実はね、ZARAって最初はゾルバって名前だったんだよ」と教えてあげてください。
その一言で、いつものショッピングがもっと楽しくなるはずです。
参考文献
- Inditex: Our History – Inditex
- The Story of Zara – VOGUE – VOGUE
- How Zara Grew Into the World’s Largest Fashion Retailer – The New York Times – The New York Times


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