「明日の集合は10時、もとい、10時半に変更です」
上司や年配の方が、会話の中でこんな風に言い直すのを聞いたことはありませんか?
文脈から「訂正しているんだな」とは分かりますが、そもそも「もとい」とはどういう言葉なのでしょうか。
Yahoo!知恵袋でも、
「もといって方言ですか?」
「死語じゃないんですか?」
という質問が見られます。
結論から言うと、「もとい」は「言い間違いを訂正する(=いや、そうではなく)」という意味の言葉で、元々は軍隊の号令から来ています。
この記事では、意外と知らない「もとい」の正しい意味と語源、漢字の使い分けについて解説します。
【結論】「もとい」の2つの意味と使い方
この言葉には、接続詞的な使い方と、名詞としての使い方の2種類があります。
🗣️ 主な意味
- ① 言い直し・訂正(接続詞):
直前の言葉を取り消して、言い直す時に使います。
「いや、そうではなくて」「訂正して」と同じ意味です。
(例:「昨日の件ですが、もとい、一昨日の件ですが」) - ② 物事の基礎・土台(名詞):
物事の根本や、基準となるもの。
(例:「成功の基(もとい)を築く」)
現代の日常会話では、圧倒的に①の「言い直し」として使われます。
語源は軍隊用語?「元へ(もとへ)」が変化
なぜ「訂正」を「もとい」と言うのでしょうか。
これは明治時代以降の軍隊や、学校の体育教育で使われていた号令が由来です。
| 語源 | 解説 |
|---|---|
| 号令「元へ!」 | 訓練中に間違った動作をした兵士に対し、指揮官が「元の姿勢に戻れ(修正せよ)」と命じる時に「元へ(もとへ)!」と号令をかけました。 この「もとへ」が叫ばれるうちに訛り、短縮されて「もとい!」と発音されるようになり、一般社会にも「訂正」の意味で広まりました。 |
漢字はどっち?「基」と「元」
漢字で書く場合、意味によって使い分けが必要です。
- 基(もとい):
建物の土台、基礎。「国の基(もとい)」など、名詞として使う場合はこちら。 - 元(もと・もとい):
はじめ、以前の状態。訂正の意味で使う場合は、語源が「元へ」なのでこちらのイメージですが、通常はひらがなで「もとい」と書くのが一般的です。
「死語」なのか?
「もとい」は古風な響きがあるため、若者言葉ではありません。
ビジネスシーンや公的な場で使うと「教養がある」「厳格」な印象を与えますが、友達同士で使うと「わざと古い言葉を使っている(おじさん構文)」と思われる可能性があります。
⚠️ 言い換え表現
- カジュアルに言うなら:「じゃなくて」「やっぱり」
- ビジネスで言うなら:「失礼しました」「訂正いたします」
まとめ
「もとい」の意味について解説しました。
📌 意味のまとめ
- 意味は「言い間違いの訂正(いや、そうではなく)」。
- 語源は軍隊の号令「元へ(もとへ)」。
- 名詞の場合は「基礎・土台」を意味する。
- 少し古風で硬い表現なので、TPOに合わせて使うのがベスト。
会話の中でさらっと「〇〇、もとい、××でした」と言い直せると、知的でリズム感のある話し方になります。
ただの言い間違いも、この言葉を使うだけで「あえて訂正した」という知的なニュアンスに変わる便利な言葉です。


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